初任給の日

「今日、お給料日なんだ〜」と朝ご飯食べながらうれしそうにsakiが言った。


「何時頃振り込まれてる?」
「朝には振り込まれてるよ」
「じゃ、行く前にコンビニで確認しようかな」
「銀行始まってからじゃないとダメかもよ」
「え〜〜。そうなんだぁ。」



相方とそんな話をしながら出勤していった。



「そういえば初任給のときはスーツを買ったな」と相方。

なるほど。そうなのか。



私は会社勤めではなかったから、初任給というより、初月謝?がそれにあたる。
それで何かを買ったとか、親にプレゼントをしたとかいう記憶はなく、お小遣いをもらわなくなったぐらい。初めて生徒を持った時はまだ学生だったからね。学費の足しにもしたなぁ。こう書くと昭和の苦学生みたい(笑)




「明日、駅待ち合わせしよう。仕事おわったらメールするからみんなでごはんたべよ。」

いつもは私たちが誘う言葉を、sakiからもらった。

初任給でごちそうしてくれるそうだ。



yukaのときもそうだった。

「今日はごちそうさせて。今までありがとう。」と居酒屋で乾杯したのがつい昨日のことのように思い出される。


ちょっと遠慮しながら飲んだビール。
成長をかみしめながら食べたごはん。
うれしいような、くすぐったいような、申し訳ないような、そんな気分。


明日もきっとそんな気持ちになるんだろうな。


これで、娘二人が名実ともにひとり立ち。



「自分で稼ぎ、税金が払えるようになるまでが子育て。」だとしたら、これで私の子育てはおしまい。


いくつになっても、親は親、子は子、だから、「親」としての終わりはないけどね。


まずは「初任給」をにやけながら味わって、税金で引かれる分に愕然としてほしい・・・かな。


「50万もらっても、10万しかもらわなくても、月末に残るお金は不思議とかわらないからね。ちゃんと天引きで貯金して横によせるんだよ。」


私が母から言われたことと同じことを娘たちには言ってきた。


そしたらsakiはyukaにもいわれたらしい。

「お給料もらったら家にちゃんと入れなよ。天引きで貯金もするんだよ。一人暮らしするときの引っ越し代ぐらいは自分で出すんだよ」


そんな話をにやにやしながら聞いていた私。