優ちゃん日記6−いのちー

kurin2011-03-09


午前9時から始まった手術は予定の時間よりも大幅に長引き、14時間にも及んだ。

北里でも17番目となるノーウッド手術。
心臓をあけてみたら、執刀医(小児心臓血管外科教授)が初めて見る「左心低形成」だったそうだ。

途中で心停止したので、心マッサージをし、別の方法をとったため時間もかかったようで、これ以上は優ちゃんの体力にも支障が出てくるし、肺機能の低下が著しいとの判断で、完全ではないまま終わったと説明を受けたyukaたち。

「手術はうまくいってました。ただ、肺が・・・」執刀医も落胆しきった顔だったとてつがいっていた。

肺のことまで考えてなかったってこと・・?

もともと肺になにかあったのか、長時間に及ぶ手術で肺がダメージをくらったのか、それはわからないという。

NICUになかなか上がって来ず、面会できたのは日付が変わった午前1時過ぎ。

人工肺と人工心肺をつけられ、他の新生児たちとは大きくちがう姿の優ちゃんと対面したという。

個室に移されていたので、時間外でも面会が許され、朝二人に会ってきた。

「昨日、てつと二人で大泣きしたよ。優ちゃんは生きるために生まれてきたんじゃないの?」と涙声で話すyuka

「このまま自分が立ち直れないんじゃないかと不安になる」と声を落とすてつ。

「優ちゃんは望んで生まれてきたんだよ。ちゃんと元気に生まれてきたじゃない。今も頑張ってる。今はつらいけど、たのしいこともうれしいことも優ちゃんと一緒にいてたくさんあったよね」と無力な言葉かけをする私。


今の優ちゃんは機械で生かされている状態。
カラダのいろいろなところからも出血している。
術後のむくみも出ている。

それでも会えるならと、二人は毎晩読んであげていた絵本とデジカメをもって会いに行っている。


たくさんお話してあげな。
たくさん触ってあげな。
yukaとてつの声が一番の薬だよ。


「今日のお話、読んであげたよ〜」
「足の写メも撮った」
「あたま、なでまわしちゃった」

フツーの親子とかわらない。

スタッフにお願いして、三人で「親子写真」を撮ってもらうと張り切っていた。


金曜日(もしくは週明けの月曜日)、優ちゃんの体力があって、人工肺を外した時、自力呼吸ができていれば再手術の予定らしい。
3400あるからここまで耐えられたそうだ。
医師から「可能性がゼロでないなら、僕たちはそれにかける」と言われたyukaとてつ。


そして二人が出した結論は「あとは優ちゃんが自分で決める。優ちゃんが決めたことを自分たちは受け入れる」


医師は「子」のことに関する説明を「親」である二人しかはなさない。

yukaの親として私はとってももどかしいけど、私は優ちゃんの「祖母」でしかない。



画像は生後1時間の優ちゃん