優ちゃん日記1

優ちゃんとはもうすぐ生まれてくる孫の名前。
男の子だとわかった時からあれこれとyukaたちが名前を考え、「優伍:ゆうご」となった。
「伍」には人が集まるという意味もあるらしい。


検診は個人の病院で、その後中期からは出産する病院へとうつり、ついこの間までは「あともう少しだね〜」とみんなが元気に生まれてくることを当たり前に思っていた。

22日、「ママ・・優ちゃんちょっと心臓に異常があるみたいで、来週の検診のとき一緒にきてって先生がいってた。時間ある?」

幸い、火曜日は休みだったので1日、てつと三人で一緒に病院へいった。

「エコーで完全に見られるわけではないし、もう赤ちゃんも大きくなっているので動かないため、なんともいえないけど、心臓の左側がはっきり映らないんですよね。大動脈もはっきりと確認できないんで、こればかりは生まれてみないとわからないけど、リスクがある可能性があります。」

胎児も母体も元気そのもので、力強い心音と充分な発育が認められてるので「心臓が悪いんだったらそもそも大きくはならないはず」と思っていたら、今は臍帯から酸素や栄養を取っているし、胎児体内循環はできてるから、なんの問題もないけど、生まれて肺呼吸になったときに、どうなるかわからない、ということだった。


そこの病院にはNICU(新生児集中治療室)がないので、分娩は問題ないけど何かあった時のその後のケアができないという。


北里大学にはNもあるし、設備、マンパワーともに充実しているから、「ベスト」の選択かといわれればわからないけど、少なくとも今よりは「ベター」な選択になるということで、紹介状持参で昨日朝イチで北里へいった。


yukaはまったくの初診だったのでまずはカードを作るところから・・・

エコーではダブルチェックの末、やはり所見は国立病院とかわらず。
母体は38週後半、とても順調に出産へと進んでいる。
ということはいつ陣痛が始まってもおかしくはない状況。

優ちゃんもしっかり育っていて3300ぐらいはあるらしい。


「産科としてできること、その後小児科の視点から何が必要かを判断するため、早めに入院してしっかり検査しましょう。今日入院できますか?」といわれ、yukaはそのまま入院。

手続き後、私は家にもどり入院の準備(国立で産むとき用の準備しかしていなかったので不足のものもある)をし、届けにいったけど、やっぱり忘れていたものもある。
慌ててるなぁ・・落ち着け自分。


ここ数日の間に新生児死亡も、生まれてすぐの手術も、酸素不足による脳障害も想定した。走り回ることもできないかもしれない。yukaがメンタル的に落ちることも充分考えられる。
じじバカになっている相方ともいろんな話をした。


産科、小児科、心臓外科でチームを組んで優ちゃんの誕生を迎えてくれることに今は感謝しかない。託すしかない。


孫の世話のために仕事を休むことはしない、と宣言したけど、生死がかかわる今回の場合は別で、さっそく職場に迷惑をかけた。

今夕、これまでの検査の結果と今後の流れについて話があるとのことで担当医に呼ばれている。


「ゆうちゃん、ずっとおなかのなかにいればいいのにね。こんなに元気でいられるのにね。」
はち切れんばかりに大きくなったおなかをさすりながらyukaがつぶやく。

「何があっても、起こっても、僕たちのところにきてくれてありがとうってずっと思いながら育てます」とてつからメールがくる。


「明日哲也は仕事休めないので代わりに私がいきますね。」と昨晩すみえさんからもメールがきた。


まだ正式な病名も診断も告げられてはいないけど、心のそこから「元気にうまれてきてほしい」と願う。「生きて!」と願う。


「自分の子供が病気なのと孫が病気なのとどっちが辛いかなぁ」としょーもないつぶやきを相方にしたら「自分の子供もつらいけど、親はそんなこと思っちゃいられないでしょ。孫だと、yukaのことと優ちゃんのこと両方を心配する。」

たしかにそうだ。


優ちゃんはいろんなことを私たちに伝えるためにやってきたんだなぁと思う。

生きて行くことは「感謝」と「奇跡」の連続だ。