ちらし寿司

病棟の作業療法のプログラムで「料理」というのがあります。

料理って言うのは完成を想像して、それに必要な材料を買いそろえ、手順よく仕上げて行くという実に頭を使う作業。

もちろんスタッフもその献立から買い物、作業に至るまで一緒に付き添い支援していきます。

作る、食べる、片付ける、をみんなで一緒にやる。これが大事。


今日のメニューは「ちらし寿司」

ちらし寿司の素を混ぜて飾るのではなく、ちゃんとすし飯を作って、錦糸玉子も作って、マグロ、えび、ほたてまで食べやすく切り、盛り付け。
三つ葉ものりも忘れていない。


しいたけを煮たのも入ってました。

そのしいたけの戻し汁を使って作ったお吸い物のおいしいかったこと!
ちゃんと毬麩と三つ葉で彩りも美しく仕上がってました。
すべてメンバーさんが自分たちで考えた材料。


いつもは音楽のときだけみんなに会うのだけれど、今日は偶然にも別のプログラムで出勤していたので、できあがったころ「一緒にたべよう♪」と誘われ、ご相伴に預かりました。


私 「お吸い物おいしい!」
スタッフ 「それはAさんがつくったの。玉子はどう?」
私 「とってもきれいにできてておいしい!」
スタッフ 「それはBさん。Bさん、よかったですね」
私 「この酢飯、とってもおいしい。いい塩梅。これは?」
スタッフ 「それはCさんですよ〜。一生懸命混ぜたんですよね」
私 「すごーい!本当においしい〜〜☆みんなありがとう!!」
スタッフ 「先生と一緒に食べるのってたのしいね♪」
A 「ホント。病院じゃお刺身なんて出ないし。おいしいね」
B 「お吸い物、ダシもちょっといれたよ。あとはまごころをたっぷりね。」
私 「そうかぁ。だからこんなにおいしいんだ〜♪みんなうちに来て作ってほしいくらい☆」



音楽の時に見せる笑顔とはまたちがった笑顔がたくさん。
自信に満ちた笑顔。ちょっと照れくさそうな笑顔。笑い声。おしゃべり。


自分たちで作ったものを、一緒に食べる。
他の人が喜んで食べてくれる。



こうした「(生み出す:作る)苦労」や「喜び」「達成感」をともに分かち合うことは、病院だと「プログラム」として織り込まれ、それを実感することが出来るけど、社会や家庭だと「日常」や「生活」の中に埋もれてしまって、ついと忘れがち。
出来て当たり前になってしまうことも・・・。
もったいないな。当たり前のことなんて何にもないのにね。


ココロの健康を取り戻すプログラムは、本当にいろんなものを「蘇生」させていく。


・・・・それにしても本当においしかったなぁ。あのちらし寿司♪