火車

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)



火の車といえば、「借金」のこと。これはそれが題材となっている小説。一気に読めますよ。飽きさせないテンポ感があります。

借りる側にはそれだけの理由がありますが、貸す側には「商売」しかありません。「儲け」しか考えていません。



消費者金融ヤミ金も、一部上場でもそうでなくても、銀行系と提携したプロミスやアコムでも「金貸しは金貸しなんだ」というアイフルの社員のお言葉どおり、単なるただの高利な「金貸し」「借金取り」なんですね。


金の切れ目が縁の切れ目。
羽振りのいい時はモテるけど、それなくなったら見向きもされない、という場面に使われる言葉ですが、これは信頼関係を壊すのはお金だってことをも意味しています。


この小説、ダークなテーマですが読後感はそれほどダークではなかったです。
現実の方がよっぽどダークでディープ・・・・ってことを作者も知っているからなんでしょうね。


お気軽に、さわやかに、簡単に、お金貸しすぎって思いません??
お気軽に、考えなしに、簡単に、お金借りすぎって思いません??

だから多重債務者が後を絶たないし、負(不幸)の連鎖が横行するのにね。