選ばれし者たちよ!2

小学校4年生といえば、やっと「つ」がぬけて大人の入り口に立つ年齢だと私は思っています。9歳(ここのつ)まではどうしても子供子供してるけど、10歳(とう)になれば、待ってなさいと言えばある程度は待てる年齢だし、自分でも判断し始める年齢。


昨日はなぜか全然集中力なくって、ふらふら&だらだらしてノリも悪い。先生も「ここんとこずっとこうなんです」と困り顔。授業が成り立ちません。よくよく観察したら全体として完成しつつあるから、同じことの繰り返しで飽きが来てる様子。人の話を全く聞いてません。

「あ、これはもうできあがってるからですよ。おんなじことやっていて飽きてるからだと思います。少しほっといて平気です。楽器じゃなくて歌の方やるとか、あとは個別に小グループを作って聴きあったりするとけっこういいですよ♪ビデオに撮るとか。あと○○さん、あの子にソ♯隊長やらせるといいかも。(リコーダー組はソ♯ができてない)」


よって二日レンチャンで今日も行ってきました。ソ♯隊長、意気揚々と頑張っています。
「せんせ!ソ♯できるようにした。でも、あと二人ダメ・・」 いい感じです。このようにちょっとした「役職」を持たせると力を発揮するケースって多いです。
トーンチャイムもベルもいい具合に仕上がっています。が、ダラダラふらふらは相変わらず。すぐにちょっかい出し始めるし、騒ぐし・・・レベルダウンか・・。


「みんなの練習みるの今日が最後なんだ・・。本番がんばるんだよ。ファイナルステージだからね」
「えぇーーー!!!」「うそだろ、ボス」「当日、来てくれるんでしょ?」
「ごめんね、他のお仕事が入っていていけないの。でもビデオ撮ってもらうように頼んだから♪にっこり笑顔でやるんだよ。」


おぃおぃ、涙ぐむなよー。


全体練習している音楽室に移ると「みんな!ちゃんとやろーぜ。あと一週間なんだぞ!」「そこしゃべってんなよ」「しずかにしてくださーーい!」「うっせー」 「わかってる」  にぎやかです。元気ハツラツ。原油高もANAの値上げも関係ありません。


そんな一番にぎやかでおちゃらけてる一人が黒板になにやら書き始めました。
最初は「もう!やめなよ!」と言っていた子たちも、黒板に集まって何やら書いてます。



  ← 「けすな」と書かれています
見えない部分には寄せ書きとなぜかドラえもんの絵がたくさん!


もうもうもう!!なんてかわいいの。さすが選ばれし者たち♪


私はたった三日間一緒に音楽をしただけです。その子たちの家庭での様子も、学校での様子も何も知りません。いい意味で子供たちに関する情報が何もなかったのです。ですから、私と一緒にいたその時間だけが私にとっても、子供たちにとっても「全て」でした。
「情報」は有益に作用する場合もあれば、「偏見」「思い込み」として作用する場合もあります。特に教育現場ではその危険性が高い。たとえば学級委員だから「できる子」とか、ふざけてばかりだから「できない子」とか。

まっさらの状態で会う。そこからいろんなことが始まる。それが「絆」の一歩だと私は思うのです。